埋蔵親知らずを抜いた回
こんばんは。気付いたら新年になってました。
新年早々人生初、親知らずを抜いて参りました。
そもそも、私は歯医者に縁がなく、初めて歯医者に行ったのが20歳検診の時。
無料で検診とクリーニングをしてもらえるとのことで、興味津々で歯医者に行きました。
近所の歯医者でレントゲンを撮ってもらうと、素人目にも分かる、明らかに異常な方向を向いている下顎の親知らず達……
イメージ画像
歯医者「このままいくと、親知らずが奥歯を潰します」
えええ…………
どうやら、正常ならば上を向いて上に生えるはずの下顎の親知らずが、横を向いて歯茎の中に埋まった状態のようです。
放置すると、進行方向にある奥歯を圧迫し、傷ついた部分から虫歯トラブルの原因になるそう。
抜かなければならないようですが、まぁそんな早急にではないとのことで、いつか抜いてもらえばいいや、と放置していました。
そんなこんなで、あれから約1年、内定先で説明会のようなものが開催されたのですが、その時に人事の方が「個人的に、入社までにやっておくことのオススメは、親知らずを抜くこと」とお話されていたのをふと思い出し、人生で最も暇な今抜いておくか~と以前検診をしてもらった歯医者を訪れました。
台に寝て待っていると、挨拶もなしに先生が一言
「これねぇ、すっっっごい大変だから、覚悟してね」
んあ~そんなにか~
前述した埋没した親知らずの状態を、レントゲンを指しながら説明され、そのあと抜歯の手順を説明されました。簡単に言うと
①歯茎を切開する
②歯茎の奥にある歯を支えている骨を削る
③親知らずを砕いて取り出す
④歯茎を縫い合わせる
骨を削るというワードが出てきた時点で普通じゃない感がひしひしと伝わってきたわけですが、親知らずが頭を出していない場合はよくあるケースみたいなものの、私の場合完全に歯茎に埋まっているのと、奥歯に密着していたので、結構面倒なケースであるそうで、先生からはしきりに「大変だよ~」と言われました。
また、下顎は神経が入り組んでいるようで、その神経に少しでも刺激を与えてしまうと、下唇らへんがピリピリする後遺症が残る可能性があるとも告げられました。
後程調べて分かったのですが、このような埋没型の親知らずは、一般の歯医者でなはく、口腔外科にかかるのが正しい(?)そうで、駅前の小さな歯医者さんでは難しいし大変なので、対応してくれない場合もあるそうです。
先生ありがとうございます~
まぁいつかはやらねばならぬのだから、先延ばしにしても…と諸々了承し、先生に施術をお願いすることにしました。
ということで、大がかりな器具の用意に時間を要するらしく、また後日に予約をし、再訪することに。
いや、大がかりな器具ってなんや…
さて抜歯の日になりました。
お昼ご飯を食べられない覚悟で、11:30から予約してあります。
まずは台(イスか)に寝て、よだれ掛け(たぶん違う)を掛けられます。
毎回の如く、特に挨拶もなしに先生登場。
先生「右と左、どっちにする?」
私「ええ…じゃあ右で…」
人間咄嗟の判断を迫られると右を選びがち。
そんなんで口の周りだけ開いているタイプの布を顔に被せられ、「はい口開けてー」の声に何の抵抗もなく口を開けると、すぐさまブスリと注射針が歯茎に刺されました。
何か言ってよ!めっちゃ痛いんだけど!!
まず歯茎!!!それからまた歯茎!!!刺されたままグリンと方向転換する針!!!
そして麻酔が注入される感覚を涙目で耐えました。
麻酔が効くまで暫く放置され、段々顔の右下側がジンジンしていくのを感じながらボーッとしていると、先生再来。
「はい、口開けてー」と言われ警戒しながら口を開けるも、中を見られるだけで何もされません。
てかそもそも麻酔効いてるのか?と疑問に思っていると、奥歯に何かが当たる感触が…
あ!よくわかんないけどもうこれ歯茎切られてる!!!
麻酔の凄さに感心しながら、なんとなくの感覚と音で現状を把握します。
まず歯茎を切開されました(たぶん)。
その後チュイーーーーーーーーーーーーーンというすごい音と同時に嫌な音がしたので骨を削りました(たぶん)。
視界が制限されている分、聴覚は敏感になっており、そのチュイーーーーーーーーーーーーーンがもう響くこと響くこと。
まぁ、麻酔のおかげで何も感じないので特にこの段階では恐怖も痛みもありませんでした。
しかし本番はここから。
機械の出番は一旦終わり、完全手動で親知らずをほじくりだしていきます。
ガチンガチンという、歯と棒的な器具がぶつかる音と「取れない」「こりゃ大変だ」という先生の呟きに段々と恐怖が押し寄せてきました。いつまで続くんだ…?無事に取れるのか…?
いっそのこと全身麻酔で眠らせてくれ
大丈夫か大丈夫かと焦っていると、下顎に物凄い力が加わります。
どうやら先生(成人男性)がかなりの体重をかけて何かをしている…!
なにこれ顎外れない!?たぶんテコの原理的な何かをしていると思うけど、誤って関係ない部分傷付けない!?と内心かなり焦ります。
「痛いよねーごめんねー」「痛いですけど頑張ってください」という先生と助手さんの励ましを頂きますが、そもそも麻酔してるのに痛い可能性があるってなに!?!?どういうこと!?!?今何をされているの!?!とエールにより余計恐怖を感じました。
暫く体重を掛けられた後、再び機械によるチュイーーーーーーーーーーーーーンが再開。
この音を聞いた瞬間物凄く安心しました。
体重を掛けられていないってだけでこんなにも心が穏やか……
ここで、待合室の来訪者を知らせるベルの音が聴こえます。
小さな歯医者なので先生ワンオペ。
つまり次の患者が来てしまったということは、施術の時間が押しているということ。
再び歯と何か金属がぶつかる感覚!心なしかさっきより力が強い!奥歯!!金具が親知らずだけじゃなくて奥歯に当たってるよ!エナメル削れちゃうよ!!!
先生の急いでいる様子が伝わってきて、なんか融通効かない親知らずでスミマセン……と申し訳ない気持ちを抱きました。
「はい!取れた」
先生の達成感のこもった声が聞こえました。終わった~
しかし、ここで異変が……
なんかね、段々と口腔内の感覚が戻ってきている感じがしてきます……指が当たってるような……?
嫌な予感は的中し、先生が歯茎をぐっと指で抑えつけた瞬間「いはい…」と思わず声を上げてしまいました。痛かったら左手を上げるという概念はもう吹き飛んでしまった。
「え?痛い?」と聞き返され、同じ部分をぐっと押されます。いやだから痛いって!!!
「いはい!!」と力強く伝えると、助手さんが急いで麻酔を持ってきてくれて、再び先生の手によってブッスブス針を刺されました。
も~麻酔針痛いの二度目~
そんなこんなで、手際よく傷口を縫われて、無事終了。
口の端から血と涎を垂らしながらお礼を伝え、うがいをした後、助手さんにガーゼを噛まされて止血を促されます。
血が止まるまで暫く安静に、と台に寝かせられたものの、脇の道具置きみたいなところに血まみれの3つに砕かれた親知らずがポロポロと置かれていて、なんとなく起き上がって観察してたら「貧血起こしちゃう可能性があるので、寝ててください」とやんわり叱られました。
血まみれガーゼを吐き出して、またうがいをして、今度こそ終了。
時計を見たら最初に麻酔を打たれてから丁度1時間が経過していました。
舌も痺れて唇も痺れて上手く喋れないまま、次回の抜糸の予約を1週間後に取って、そして
①抗生物質 3日分
②鎮痛剤(ボルタレン) 10回分(20錠)
を貰ってお会計です。
5880円
まぁこんなもんですかね?
相場よくわからないんですけど。
病院程相場謎なジャンルないですよね。
埋没親知らず抜く予定の方は参考までに。
ということで、今回は埋没横向き厄介親知らずを、町の歯医者さんで抜いてもらった回でした。
初めは「なんで何回も歯医者行って一本ずつ抜かなきゃならないの?全部一気に抜いてよ」と生意気なことを考えていたのですが、いざ親知らずを抜いて貰って、一本ずつで良かった……………と安心しております。
施術中、意識が明瞭なため音や感覚が研ぎ澄まされるので、頭も疲れるし体力的にも疲れました。
そして何より先生が大変そうでした。お疲れ様でございました…
親知らずを既に抜いている色々な方のお話を伺うと、埋没型の人は町の歯医者さんでは手に負えないので、大学病院を紹介されたりする場合も大いにあるそうです。
ケースバイケースということで、ご参考までに。
では次回、「痛みとの戦い」
To be continue………
私のワガママ親知らず(右)です
閲覧注意